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2011.04.16 Saturday | - | | - | - | by スポンサードリンク

イサム・ノグチ庭園美術館を訪ねて

 イサム・ノグチ庭園美術館。週に3日の営業で、往復はがきで予約するというアプローチが必要だったが、ひるまず訪問。(香川県高松市庵治町という場所にあり、遠方から来られる場合は、ややハードルが高いかもしれない。)

 グローバルとはまた違う、コスモポリタンな感覚。

 特にエナジー・ヴォイドという作品が存在感を放っていたのだけれど、石という材料を通して放たれる自然のエネルギーを、人間のデザインによって非常に洗練された一つの形に閉じ込めた、という印象を持った。

 作品の見せ方も、まず未完成品と完成品が同居した屋外のアトリエを通り、屋内のエナジー・ヴォイドなどの完成品へと導くようになっている。天然の材料を人が加工した、という事がよく分かる。

 庭園美術館の敷地も、庵治町の小道から入った所、という場所がポイントで、山、空、海といった自然に囲まれて、整然とアレンジされた石、草、木に囲まれて、作品が点在している。鳥の鳴き声や風に包まれながら、作品を鑑賞する。大都会の美術館では、きっと同じ感覚は得られないだろう。

 大量生産によって画一化された工業製品にはない、石という素材によって得られる美しさ。天然の石を、円や直線的な平面のデザインを使って、加工している。色・質感・微妙な粒の配置具合などが、部分部分によって違う、しかし連続性がある、というのが石という素材の良さなのかな、と知ることができた。

 一言でいえば、自然と人間の力の融合美がそこにある。

2011.04.16 Saturday | 日記 | 15:30 | comments(1) | trackbacks(0) | by ary

【書評】明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法

 クリエイティブ・ディレクター佐藤尚之著、「明日の広告」を読んだ。

ずっと読もうと思っていて、積ん読していた本。

読みっぱなしにしておくには勿体無いので、メモ形式で以下に記録。



インターネットの普及、情報洪水、市場の成熟といった背景から、消費者は根本的に変わった。

・情報をマスメディアからトップダウンで受け取っていたものが、ヨコでつながり、ボトムアップするようになった。「商品のスッピンの姿」がブログなどで共有されるようになった。
・身近な「友達・好きな人・信頼できる人」という強力なメディアが出現した。


そんな変化した消費者を待ち伏せる方法を抜粋すると。

・新しいメディアを作って待ち伏せる(Nikeの「公園のゴミ箱」など)
・クチコミを利用して待ち伏せる
・CGMで待ち伏せる(mixi,ブロガーなど)
●メディアをニュートラルに考えて、クロスメディアで戦略的に待ち伏せる(ターゲットに対して最適なメディアを中心に据える。従来のメディアミックスとは根本的に違う発想。)


コミュニケーションデザインの初動で間違わないためには。

・消費者をよく見る(商品本位で商品理解を最優先するのではなく、消費者本位で考える。消費者の方が商品よりも偉い時代なのである。)
・商品を欲しがっている人のことを調べるという例(商品を買わせたいターゲット層を決めるのではない。)


クリエイティブの重要性とは。
・相手を感激させなければラブレターとはいえない。広告と、単なるインフォメーションの違い(例、Googleのアドワーズ広告)


商品丸裸時代のクリエイティブとは。
・認知に徹する(CMの持つ、認知させる力の再認識)
・よりプロモーショナルになる(エンターテインメントの内包、消費者の参加)
・ありのままの自分(商品)を出す(最初から商品の良い所も悪い所も公開する)
・買ってくれた人をもてなす(消費者の役に立つ広告。アフターサービスサイトなど)
・買ってくれた人に参加してもらう(商品開発、改良、広告に参加してもらう)


さいごに、印象的だった点。
・コミュニケーションデザインは、既存マスメディアをもう一度魅力的にする(メディアの役割分担を明確にして設計することで、メディアそれぞれの役割が最大化される)(例えば、ラジオを聴く消費者の絶対数が減ったとしても、ラジオを聴く消費者にとっては依然として重要なメディア。これも消費者本位の考え方。)



読了後、改めて気付かされたと思ったこと。

消費者は、以前と比べて明らかに変わった。だがしかし、依然として変わっていない消費者も一定数いる。
 コミュニケーションデザインのやり方も、それに合わせて変わった。各メディアの持つ力が落ちてきたと言われるが、それだけで片付けてしまうは業界の外の人。消費者本位で考えれば、それぞれのメディアは、フィットする層に大しては、依然として影響力を持っている。また、各メディアの役割分担を明確にすることで、効果を最大化することができる。
 「TVの時代は終わった」、「マスメディアは滅びる」などと、バッサリ切り捨ててしまうのは簡単だ。しかし、1か0かではなく、メディアの活かし方をもう一度考えてみることで、メディアの意義というものを再認識することができるのではないか。
 これこそまさに、コミュニケーションを「デザインする人」がいるからこそ可能になるのだと思う。
 
 クリエイティブの醍醐味は、再定義と再配置によって、世の中の変化に合わせて新しい価値を提供できることなのではないかということを、この本を読んで考えることができた。



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